ユーザーの声を集め、 導入ホールを“follow”
ホールさまへのフォローにぴったりな「やたい劇場」
2015年11月。
業界がシュリンクする中、遊技機販社やまの(本社・広島市)の山野法行社長は、今後の方向性が見えず、悩んでいた。
そんなときに、出会ったのが「大玉のたこ焼き」6個150円など、その安さと味で、来店客に好評を
得ていた「やたい劇場」。
大手法人のように、新台を頻繁に導入することはできないが、せめて週末だけでも、自店にお客さ
まを集めたい…。
そんな理由で、知り合いの店長が利用していた「やたい劇場」に興味を持ち、半信半疑で3回ほど、視察に訪れたところ、毎回、20人以上の列が…。
実際にたこ焼きを食べてみた山野社長は、「この値段でこの味なら、お客さまに満足してもらえるはず」と納得。
「当社の経営理念は“follow”。遊技機以外でユーザーに喜んでもらえるこのサービスは、ホールさまへのフォローにぴったりだと思った」と、当時を振り返る。
最初の1年は、月間約30ほどだった開催数も順調に伸び、今では、約50開催に。
開催数が増えると、人手不足の問題に直面するのが世の常だが、「おかげさまでスタッフには恵まれています」山
野社長。
立ち上げのときからいる4人の焼き手は、一人も欠けておらず、さらに、接客力の高い人材も加入し、8人体制に。
焼き手の指名も、日常茶飯事だとか。
メーン商品であるたこ焼きの平均売上個数は400パック。
何より、ホールに喜ばれるのは、開催の事後報告。
「屋台スタッフには、ただ販売するだけでなく、顧客と会話するように伝えています。好意的な発言だけでなく、負けたお客さまの愚痴やホールへの要望などをまとめ、レポートとして、お渡しするのですが、貴重な意見だと好評です」
新規メニューの販売にも積極的。
某有名店の食材など、山野社長自ら動き、ものにしてきたという。
また、開催ホールに場所があるようなら、簡易ベンチを用意し、コミュニティーの場を作る。
これも、やまのの「やたい劇場」のウリの一つ。
「“安くておいしいたこ焼き”をはじめとした商品に加え、地域の賑わいを生む場所を提供することで、パチンコにプラスした楽しい時間を過ごしてもらうことをモットーにしています」
顧客と触れ合うことが楽しいため、今でも、2カ月に一度、焼き手として現場に出ている山野社長。
中には、屋台近くのベンチに居座って、1時間ほど、しゃべりっぱなしのおじいさんもいて、仕事にな
らなかったと笑顔を見せる。
この対応こそが、顧客満足度をアップする要因といったところか。
野菜の即売会「道の劇・くだもの&やさい劇場」もスタートし、即売会にも力を入れていく意向。
目標は、「やたい劇場」と即売会で月間100開催。
山野社長は、「現状、もっと開催したいというホールさまの声が後を絶たないため、夏までにはキッチンカーをもう1台増やす予定。
もっと多くのお客さまを喜ばせたい」と、意気込みを語った。
プレイグラフさま19年3月号より転載